日本の木版画100年展(04/08/20)

名古屋市美術館

絵師、彫師、摺師の分業で作られた浮世絵と異なり、自画、自刻、自摺の「創作版画」に焦点をあてる
山本鼎が1904年に「漁夫」を制作してから100年目とのことです

小中学校の頃に、左手で板を押さえて、右手で彫刻刀を使って彫って、墨を塗って、紙をあて、バレンでこすってできあがり、という一連の作業を思い出した
墨で描かれた、彫跡のわかる作品に、木の感触や記憶が重なって、なつかしさを覚えた

100年間の作品は、色彩を用いたもの、版木の彫跡を意識させないもの、絵も具象的なものから、抽象的なものなど様々です

小野忠重「海辺の家族」:太い線でかたちを縁取り、落ち着いた色でどっしりして、あたたかみ
棟方志功「弘仁の柵」:おおらかな線、明るい黄色で生命感
山中現「The second night(第2夜):抽象化された人が静かに向かい合っているいるよう
黒崎彰「闇のコンポジションA」黒と赤の色彩が直線的な模様に色づけられて、現代的で強い
徳力富吉郎「道頓堀の夜」:道頓堀のある夜景、水面に反射した光が揺れて見える
平塚運一「机上小禽」:細い線や微妙な曲線で細密、木口木版

8/29まで

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